
「もっと勉強しなきゃ、勝てるようにならない…」
FXで思うように結果が出ない時、真面目なあなたほど、そう考えてしまうのではないでしょうか。
本を読み漁り、動画で手法を学び、高額な教材に手を出す。勝つために、必死に知識を詰め込む。
その努力は、本当に素晴らしいものです。
しかし、もし、あなたのその努力が、実は勝ちからあなたを遠ざけているとしたら…?
この記事では、かつて「ノウハウコレクター」だった私が、大金を失ってようやくたどり着いた、FX学習の「不都合な真実」についてお話しします。
なぜ、勉強熱心な人ほど、チャートの前で動けなくなってしまうのか。その残酷なパラドックスの正体を、今から解き明かしていきます。
知識があなたを縛る「分析麻痺」のワナ
不思議な話だと思いませんか?
あれほど勉強して知識をつけたはずなのに、いざチャートを目の前にすると、以前よりもエントリーできなくなっている。迷いが生まれて、動けなくなってしまう。
これは「分析麻痺(Analysis Paralysis)」と呼ばれる、非常に有名なワナです。
FXを学び始めると、私たちはたくさんの武器(テクニカル指標や手法)を手に入れます。
移動平均線、MACD、RSI、ボリンジャーバンド…。
しかし、武器が増えれば増えるほど、いざ戦場に出た時に、どの武器を使えばいいか分からなくなってしまう人が大半です。
- 移動平均線は買いサインだけど、RSIは売られすぎを示している…
- このパターンは買いだけど、経済指標の発表が近いから危険かもしれない…
知識が増えれば増えるほど、「エントリーしない理由」もたくさん見つかってしまいます。
結果、絶好のチャンスを目の前で何度も見送ることになり、「自分は何のために勉強したんだ…」と、自己嫌悪に陥ってしまうのは、目に見えています。
私の暗黒時代。知識に溺れ、動けなくなった日々
私自身も、この「分析麻痺」の沼にどっぷりとハマっていました。
失敗するたびに、私は「知識が足りないからだ」と信じ、狂ったように勉強しました。
おすすめされた本を何十冊も読み、高額な情報商材やスクールにも手を出しました。
その結果、どうなったか?
私のチャートは、色とりどりのインジケーターで埋め尽くされ、現代アートのようになりました。
そんな状況ですから、教科書通りの完璧なエントリーポイントが現れたとしても、私の頭の中では、学んだ知識たちが大喧嘩を始めます。
「Aの手法では買いだ!」
「いや、Bの理論ではまだ早い!」
「Cの指標は危険信号を出しているぞ!」
そんなことを私が頭の中で会議をしている間に、価格はあっという間に変化していきます。
結果、ただ呆然とチャートを眺めるだけの日々が続きました…
「知識を集めるだけじゃ1円も稼げない」という事実に気付くまでに、私のトレーダーとしての自信は、完全に打ち砕かれいました。
あなたが目指すべきは「アナリスト」ではない
そんな暗黒時代を過ごしていたのですが、ある日、とある人の話を聞き、ふと、決定的な気づきが訪れます。
「自分はFXのアナリストや評論家になりたい訳じゃない。ただ、FXで勝ちたいだけだ」
この瞬間、目の前の霧が晴れるような感覚に襲われました。
そうです。
必要なのは、相場の全てを分析し、未来を完璧に予測する「神の知識」ではありません。
稼ぎ続けられる方法を知るだけで良いんです。
それはたった一つでも構いません。
自分が心から信じられる「武器」と、それを使いこなす「規律」が大事なんです。
考えてみてください。
伝説の侍、宮本武蔵は、たくさんの種類の刀を使いこなしたでしょうか?
いいえ、彼が使ったのは、大小二本の刀だけです。
彼は、その二本の刀を、誰よりも深く理解し、誰よりも巧みに使いこなしたからこそ、無敗の伝説となったのです。
FXも、全く同じです。
たくさんの武器を中途半端に知っているよりも、たった一つでも良いから、稼ぎ続けることのできる武器を、誰よりも深く知っている方が、遥かに強いのです。
知識を「捨てる」勇気が、あなたを勝ちに導く
ここまで、なぜ勉強すればするほど勝てなくなるのか、その残酷なカラクリについてお話ししてきました。
もしあなたが今、たくさんの知識に振り回され、チャートの前で動けなくなっているのなら、 あなたに必要なのは、新しい知識を「学ぶ」ことではありません。
むしろ、これまで学んできた知識を「捨てる」勇気かもしれません。
あなたのチャートに表示されている、たくさんのインジケーターを、一度すべて消してみてください。
そして、自分が「これだ」と信じられる、たった一つのシンプルな手法だけを残すのです。
最初は、とても不安に感じるかもしれません。
しかし、その身軽さこそが、あなたを「分析麻痺」の呪縛から解き放ち、トレーダーとして再び歩き出すための、大きな一歩となるはずです。
FXで成功するために必要なのは、博識な頭脳ではなく、一つのことを信じ抜く、強い心がとても大事です。
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